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いといがわ\暮らしの防災術/vol.4レポート

更新日:2026年3月24日更新 印刷ページ表示
最終回となる第4回が2月21日に開催されました。
最終回となりましたが、17人が参加し、回を重ねるごとに暮らしの防災が熱気を帯びてまいりました。

いといがわ\暮らしの防災術/最終回となる第4回が2月21日に開催されました。

縄文竪穴式住居に学ぶ先人の知恵

全講座に参加した方もいます!
糸魚川市の長者ヶ原遺跡に存在した竪穴式住居は、現代の防災にも通じる重要な示唆を与えてくれます。柱や梁と藁をつるで結び合わせることで構築されており、釘を一切使用していません。
これは、当時の人々が自然素材を活用し「結ぶ」という技術によって構造を成立させていたことを示しています。
一方で現代では、「結ぶ」という行為は手間がかかるものとして敬遠されがちです。しかし、道具が限られる災害時においては、このような基本的な技術こそが大きな力を発揮します。先人の知恵を見直し、現代の生活の中に取り入れていくことの重要性を感じました。
災害時にも使えるロープワーク

ロープワークの基礎とロープ選び

講座では、ロープ1本とシート1枚で簡易的なシェルターを作る方法が紹介されました。参加者にはパラコードが配布され、まずロープの選び方について説明がありました。
良いロープは手で転がした際にしっかりとした丸みがあり、内部が詰まっている感触があるものとされています。
また、今回の用途では太すぎるものや長すぎるものは扱いづらく、適していないとされました。具体的には、直径4mm程度で耐荷重250kgほどのロープが推奨されました。
ただし、これはあくまで目安であり、必ずしもこの規格でなければならないわけではありません。重要なのは、用途に応じて適切な道具を選ぶ視点を持つことです。
結び方学びます

基本の結び方「ふた結び」

最初に学んだのは「ふた結び」という基本的な結び方です。キャンプなどでも広く使われており、木や柱にロープを結ぶ際に用いられます。
単純でありながら実用性が高く、さまざまな場面で応用が可能です。参加者は実際に結ぶ練習を行い、手を動かしながら技術を身につけました。頭で理解するだけでなく、体で覚えることの大切さを実感する機会となりました。
イスの支柱を使って「ふた結び」を練習

応用技術「自在結び」とその意義

続いて、「ふた結び」を応用した「自在結び」について学びました。自在結びはロープの張り具合を調整できる結び方で、シェルターなどをしっかりと張るために欠かせない技術です。適切に張ることで、風によるバタつきを防ぎ、雨水の侵入も抑えることができます。

現代では「自在金具」と呼ばれる便利な器具が市販されており、誰でも簡単にロープの張りを調整できるようになっています。しかし、そのような器具が手元にない状況では、自ら結び方を知っているかどうかが大きな差となります。「結ぶのは面倒」という意識が広がる一方で、技術として身につけておく価値は非常に高いと感じました。さらに、この結び方は日常生活でも活用でき、例えば布団干しなどにも応用できます。
ロープをぴんと張る
紐がどうしても張れない場合は、ペンなどのしっかりとした細長い物でロープを調節する方法も教えていただきました。ただし、この方法はロープにかかる負荷が大きいためあまりオススメはしないそうです。各方法のメリット・デメリットを知ることで、状況にあった手段を選べるようになります。
ペン、マジックなどでさらにロープを張る方法
その後は、ロープワークの実践・練習を繰り返しました。
みんなで「結ぶ」
できるまでがんばります

実践:シェルターの設営

講座の後半では、実際にシェルターの設営を行いました。まず、ふた結びでキターレの柱とロープを結び、自転車スタンドとは自在結びで結びます。その上に2m×3mのシートをかけ簡易シェルターの完成です。
シートでシェルターづくり
今回はシートの四方を固定し、シートが風で飛ばない対策も行いました。設営の際には、シートにしわができないようにしっかりと張ることが重要であり、しわがあるとそこから雨水が入り込む原因になると説明されました。
しわができないようにしっかり張ります
完成したシェルターは外見以上に安定感があり、内部は狭いながらも落ち着ける空間でした。簡易ベッドを設置することも可能であり、災害時の一時的な居住空間として十分に機能することを体感しました。
あっという間に完成
コット(簡易ベッド)も置いてみます

日常での活用と継続の重要性

ロープワークの技術は、一度学んだだけでは身につきません。寒川さんは、日常生活の中で継続的に使うことの重要性を強調しました。実際に寒川さんの家庭では、地震対策として食器棚の前にロープと布を設置し、物の落下を防ぐ工夫をしているそうです。
このように、日常生活の中で活用することで、いざという時にも自然と使える技術になります。また、ロープの畳み方についても教わり、道具を適切に管理することの大切さも学びました。
ロープの巻き方も学びます

防災用品の確認と体験

講座では、糸魚川市が備蓄している防災用品についても確認しました。参加者はテント型のパーティションやプライベートルームとなる間仕切りの組み立てを実際に体験し「想像していたよりも簡単だった」「実物を見ることで安心感が得られた」といった声が多く聞かれました。
防災用品は備えているだけでなく、実際に使えることが重要であると再認識しました。
テント型パーティションの設営体験
簡単に設営できるテント
収納もコツをつかめば簡単

避難所の現状と新たな視点

寒川さんは、東京都の自治体の事例を紹介し、首都圏における避難所の現状について説明しました。その自治体では避難所の収容人数が人口の約3分の1にとどまるなど、避難所だけでは対応しきれない可能性があるとのことです。
そのため、避難所のスペースは本当に必要な人に優先的に使われるべきであり、キャンプが可能な人は屋外や在宅避難(自宅での避難生活)や親戚・知人宅への避難、状況によっては車中避難など、複数の選択肢を想定しておく必要があります。これは従来の「避難所に行く」という一方向の考え方から一歩進んだ、多様な避難の在り方を示すものです。

質疑応答:車中避難の備え

質疑応答では、帰宅困難時に車に積んでおくべき物についての質問がありました。これに対しては、車中生活のデメリットを解消するものを準備することが重要であると説明されました。
例えば、空気のよどみを防ぐためのミニ扇風機、暑さや寒さに対応するためのサンシェードや毛布などが挙げられます。そのほか、水やライト、すぐに食べられる食品、携帯トイレなども必要です。多くの選択肢に迷うのではなく、「どのような状況で何に困るか」を具体的に想定し、その課題を解決するための備えをすることが重要であると学びました。

まとめ

講師の寒川さん
本講座を通じて、防災とは特別な準備ではなく、「明日、明後日を生きるための暮らしの延長」にあるものであるという認識を深めることができました。ロープワークのような基本的な技術や、日常の中での備えが、いざという時の大きな力になることを実感しました。
今後は、学んだ知識と技術を日常生活の中で継続的に活用し、自らの防災力を高めていくことが求められます。
改めまして、講師の寒川ご夫妻並びに第1回〜第4回の「暮らしの防災術」にご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
集合写真、お疲れさまでした!
開催日時:令和8年2月21日 土曜日(13時00分~16時00分)
会場:駅北広場キターレ