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復興レポート

インタビュー | 特集
ふるさとツナグ絆9「復興の花」
2019/11/13

 「僕、ずっとHOPEに出たいなあと思っていました!」。開口一番そう言ってくれた阿部氏こと阿部裕和さんは、糸魚川市駅北大火の復興支援ライブ「復興の花」の主催者。自らの音楽史からふるさと糸魚川に込める想いを伺いました。


ギターの魅力に取りつかれ

ABC entertainment 阿部 裕和(あべ ひろかず)さん

ABC entertainment 阿部 裕和(あべ ひろかず)さん

 阿部さんが音楽に興味を持ったのは、小学生の頃。父親のアコースティックギターで遊んでいたのが始まりでした。高校生になると、通っていた白嶺高校に軽音学部が無かったため柔道部に入部しつつ、気の合う仲間とバンドを組み、校外で活動していました。3年生の夏に部活を引退してからは、先生に頼み込んで「軽音同好会」(現在の軽音楽部)を設立。高校生の時には作曲にも励んでいたという阿部さんは、割り当てられた校舎5階一番奥の教室のことを、「高校生活を潤す楽園でした」と話し、笑いを誘います。卒業後、阿部さんは市内で就職し、仕事の合間を縫ってバンドの活動エリアを広げていきました。二足のわらじを履いて4年、実力も評価され始め、音楽に専念したいという想いから退職。それからは、毎月のようにメンバーと車中泊で新潟市・東京・大阪などを巡り、ライブの日以外はバイトか練習という生活が6年続きました。音楽フェスやバンドを題材としたアニメの普及により巷はバンドブーム。しかし、稼ぐことが出来なければ続けられないという現実は無情にも訪れ、2014年バンド活動に終止符を打ちました。


再出発

昨年の「復興の花」にて

昨年の「復興の花」にて

 バンド活動をやめた2年後、糸魚川市駅北大火が発生し、音楽を通じて知り合った遠方の知人からも糸魚川を心配する声が届きました。しばらくは音楽を休んでいた阿部さんですが、被災した駅北地域を歩いた時に、ふるさとの変わり果てた姿をみて、「自分も何か力になることができたら」と、再びギターを持つことにしました。「復興の花」に初回から参加している椎木知仁さん(My Hair is Bad/上越市出身)も大火後に連絡をくれ、背中を押してくれた友人のうちのひとり。阿部さんと椎木さんは、同じライブハウスに通い詰めていた10年来の仲で、今でもかけがえのない特別な存在だと話します。自身の音楽人生の原点である糸魚川の復興を願い、2017年11月に「復興の花」と題し、ステージを用意しました。


ただ、まっすぐに

 同イベントは、経費を除く収益金は全て市に寄付すると決めています。1年目には「とにかく何か動かなければ」と、気持ちが先行していましたが、2年目にはビーチホールまがたまのホールが満席となるほどの反響がありました。阿部さんは、来場者の7割が県外からという事実に驚きつつも、「『来年も来ます』と言ってくれるお客さんや、大火での経験を忘れない為にも出来る限り継続して開催したい」と述べます。現在、音楽を休んでいた2年間を埋めるかのように、アーティスト「阿部氏」としての弾き語りLIVEや音楽イベントの立ち上げなど新しいことにも精力的にチャレンジしている阿部さん。「まちなかのにぎわいを0からつくる気持ちで、糸魚川の音楽に向き合っていきたい」と熱い想いを語り、FUKKOUNOHANAと書かれたイベントグッズのトートバッグを自ら愛用し、来月に迫るイベントの広告塔としても奔走しています。

 

Information

「復興の花」糸魚川大規模火災復興支援ライブ2019
期日/2019年12月14日(土)
会場/糸魚川市民会館 大ホール
お問い合わせ/info_fukkounohana@yahoo.co.jp
チケット発売中!

 

糸魚川市駅北大火3年事業 -congregate café-
日時/2019年12月21日(土) 10:30~15:30
会場/共場 糸魚川コモンズ
内容/アコースティックライブを開催するほか、軽食やドリンクの販売も行います。
阿部さんも出演します!ぜひ、ご来場ください。

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