更新日:2022年2月22日

 令和4年度は、新型コロナウイルス感染症への対応とともに、第3次総合計画のスタートの年度であり、重点課題としている人口減少対策、住み続けたくなるまちづくりへの取り組みを、健康・地域経済・教育を重点項目として、様々な分野において、公民連携のもと一丸となって着実に実行していく必要があります。

 このため令和4年度の予算編成においては、総合計画の3つの重点項目にあわせ、次の3点を重点施策といたしました。

地域経済の循環

 新型コロナウイルス感染症により様々な業種において甚大な影響が出ているものと認識しております。これまでも元気応援券や今すぐUtageキャンペーンなど、市民の皆様に大変ご好評をいただいた取り組みを実施して参りましたが、第6波までの感染拡大により、今なお苦しんでおられる事業者の皆様がおられます。こういった皆様のご要望に少しでも迅速に対応するために当初予算の段階から元気応援券発行事業、今すぐUtageキャンペーン事業、事業継続給付金事業、誘客支援事業を盛り込み対応して参ります。これらの経済対策事業は、時期や内容を現段階で定めず、新型コロナウイルス感染症の感染状況を見る中で、適切な時期に必要な内容で実施して参ります。

 更に、経済対策だけではなく影響を受けた市内経済の復興、ウィズコロナ、アフターコロナに向けた取組みを着実に実行して参ります。

 自治体新電力事業では、当市の豊かな水資源を活かした自治体新電力会社設立に向けて、事業の採算性など地域資源活用に係る可能性について調査を行います。事業性や採算性が見込めると判断した段階で、速やかに自治体新電力会社を設立し、エネルギーの地産地消の実現に向けた取組みを展開して参ります。

 また、新型コロナウイルス感染症により人々の働き方、行動や思考に大きな変化が生じております。先日発表された総務省の人口移動報告を見ても東京23区で初の転出超過になるなど、人口集中のリスクが認識され、人々の目が地方に向いております。これをチャンスと捉え、多様な働き方推進事業やワーケーション推進事業などにより、新たな労働力を発掘し、先日、立地協定を締結した株式会社DONUTSのような、地方への新たな仕事の流れについても好機を逃さないように取り組んで参ります。

地域医療の充実

 市内でも新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生するなど感染者の発生が続くなか、医療現場で働く皆様、また、ワクチン接種にご協力いただいている医師会の皆様など、医療関係者全ての皆様にこの場を借りて改めて御礼申し上げたいと思います。

 第3次総合計画の策定のために行った市民アンケートの中でも、市民の皆様のニーズの一番は、医療体制の維持でした。安全安心な医療提供体制無くしては、持続可能な地域の存続は難しいとの考えのもと、市内基幹病院である糸魚川総合病院の診療科目の維持、充実を図るとともに、県が策定する地域医療構想への位置づけ、二次医療圏域を含めた救急医療体制の確保に努めて参ります。

 医療人材確保対策事業では、これまで医師、医療技術者への就学資金の貸与等を行っておりましたが、対象職種に救急救命士等を加えたほか、新たにUIターンで市内に就業する看護師に対し、ふるさと就職資金の元金返済の一部を補助する制度を設け、看護師確保に努めて参ります。

 また、救急医療対策事業や医療施設等設備整備事業など、特別交付税で措置される地域医療維持に係る経費を財源に、糸魚川総合病院に対して支援を行って参ります。

教育の推進

 学校における学習の環境が大きく変化してきております。国のギガスクール構想に基づき、一人一台のタブレット端末が配布され、授業での活用の幅がさらに広がってきております。子どもたちの可能性や学習の幅をさらに広げるために、学校におけるICT環境の更なる整備を進めます。

 また、子どもたちの将来に向けて市内企業の仕事を知ってもらい、キャリア意識を醸成するキャリア教育フェスティバルを引き続き開催するほか、市内3校の高校の特徴を進展し、子どもたちの将来への学びをサポートする、高校魅力化コーディネーターを配置いたします。

 新型コロナウイルス感染症は、学校教育の大きな行事でもある修学旅行にも影響を及ぼしています。フォッサマグナミュージアムの教育旅行の受入状況からも分かりますが、首都圏や有名観光地など感染リスクの高い教育旅行先から、より学習要素の高い体験学習を重視した旅行先へ変化してきております。このことはこれまでジオパーク活動を積み上げ、ユネスコ世界ジオパークに認定されている当市にとって、地域振興につなげるチャンスだと捉え、昨年放送されたブラタモリによる効果とも合わせた、体験教育旅行の誘致を進めるとともに、国の天然記念物に指定されたフォッサマグナパークの周辺整備に取り組みます。