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復興レポート

インタビュー | 特集
ふるさとツナグ絆 糸魚川白嶺高校軽音楽部のバンド「VERMIN」
2018/07/11

 糸魚川のまちづくりなどに関わる活動をしている若手3人に焦点を当てた前回の「ふるさとツナグ絆」のインタビュー。今回は元気あふれる糸魚川白嶺高校軽音楽部のバンド「VERMIN(バーミン)」のメンバーから、10代の素直な声を聞いてきました。

白嶺2年生唯一のガールズバンド

糸魚川白嶺高校2年生 バンド名「VERMIN(バーミン)」 ★メンバー VoG佐藤 愛(まな)、Ba 中村 真帆(まほ)、G(右)原 叶笑(かなえ)、Dr 中嶋 凜(りん)、G(左)伊井澤美桜(みお) ※美桜ちゃんは別バンドのメンバー

 放課後の糸魚川白嶺高校は、友達と談笑しながら帰路につく生徒や部活動に励む生徒たちで賑わいます。校内に入ると、ギターやドラムの音がコンクリートの壁に反響していました。今年度活動している軽音楽部員は全部で27人。そのうち2年生は今回取材した彼女たち5人で、高校入学後から楽器をさわり始めてバンド歴はまだ2年。「やってみたい!って思いの強い子は自分から入部して、ちょっと興味がある程度の子は友達に誘われて…というのが多いですね」と顧問の中嶋先生は話します。VERMINも、ドラムの凜ちゃんに誘われて入部したメンバーがほとんど。日々の練習について、「みんなで合わせるのは週に2日、軽音楽部の教室で1時間くらい」と話すのはバンドリーダーの愛ちゃん。部員数の増加により教室を使える日数に制限があり、それ以外は家で自主練することで練習時間を確保しているそう。動画サイトなどで楽器演奏している配信を見て勉強したり、先輩の演奏を見て学んだりすることが多く、練習は基本的に生徒の自主性に任せているという中嶋先生ですが、それでも「みんな自分の責任を果たしてきますので」と、部員への信頼は厚いものでした。


地元の人とのつながり

顧問の中嶋先生を交えて、弾む女子トーク

顧問の中嶋先生を交えて、弾む女子トーク

 歴代の軽音楽部員がこれまで様々な場所で活動してきた実績の積み重ねから、「またイベントがあるので出てくれませんか?」と、市内の企業や地域の方から学校に依頼がくるそうです。中嶋先生いわく「糸魚川のいろんな年代の方とライブをやっているんですが、本人たちはそれが珍しいことだと気付いていなくて、当たり前だと思っているんですよね」と、10代には珍しく幅広い層と交流がある彼女たち。校外のライブで気をつけていることを聞くと、丸く並べた机越しに意見が飛び交い、最終的に「他のバンドの演奏を盛り上げること」と満場一致の答えが。違うバンドが演奏していればすぐに駆けつけて、ソロをやっている人には両手でキラキラの演出をし、翌日腰を痛めるほどヘドバン(音に合わせ首を振る動き)をすることもあるそうです。また、営業曲の選定にも気を使い、「できれば聞いてくれる人たちが知っている曲を歌いたい」という思いから、お客さん優先でノってもらえる曲を選んで練習しています。糸魚川で行うライブでは「少女S」という曲が定番で、この曲は田鹿麩店(2015年閉店)のご子息である田鹿祐一さんが作曲を担当。糸魚川に縁のある一曲を持ち歌として大切にしており、他の出演者やお客さんたちと一緒にいいイベントをする、という気持ちを持って活動していることが伺えます。


このまちでやりたいこと

バンド練習の様子

バンド練習の様子。4人組ガールズバンドSCANDALの「少女S」のカバーを披露してくれました

 高校生にとって、このまちはどんなふうに見えているのでしょうか。率直に質問をぶつけてみると、一人の「なにもないまちかなぁ(笑)」という回答に頷くメンバーたち。「いっさく(飲食店)のあたりからまちを見渡したことがあるけど、山ばっかりでなんもないなって」。しかし、そんな思いがあるからこそ、10代の彼女たちの中には、自分たちで行動できたら…と様々なアイデアや夢が生まれます。「若い子を集めたライブがやってみたい」「同世代だけでね」「他のバンドとの交流ができればいいなと思う」と美桜ちゃん、真帆ちゃん、凜ちゃんの3人が話すと、愛ちゃんも「もうちょっと練習出来る場所があったらいいな」とスタジオ不足に悩む気持ちを吐露していました。これまでは様々な年代と一緒にやるライブが多く、それに不満はなかった彼女たちも、同年代でもっと盛り上がっていきたいという気持ちを抱えています。上越妙高駅で毎月開催されるライブ等では、上越総合技術高校や新井高校の軽音楽部のメンバーと交流する機会もあり、そうした経験を経て考えたのが「いつか高校生だけのライブを開きたい」。高校生がライブをやれば、見に来る観客も高校生がメインになります。色々な高校生と一緒にこのまちを盛り上げたいという全員の声に、中嶋先生も「頑張ろう」と笑顔で頷いていました。


夏のライブへの意気込み

軽音部スローガン

「全員同じだけの責任を持ってやらなきゃいけないので、全員がレギュラーです」と先生が言いきる、軽音楽部の心得

 8月には市内高校生バンドと大人バンドの競演「エキマエロックフェス」が開催される予定です。最後に、本番まで2カ月を切った音楽フェスへの意気込みを聞きました。
愛ちゃん「とりあえず失敗しないように。2番の歌詞を1番で歌ったこともあるから(笑)ドラムとかギターがもし止まっちゃっても、自分が楽しく出来ればいいかなって思います」
凜ちゃん「ドラムがなくなっちゃうとみんなも止まっちゃうから、新曲をやる時は周りよりも早く最後まで練習するっていうのを意識しているんですけど、本番も頑張りたいです」
真帆ちゃん「ベースはバンドの土台なので『ベースです!』っていう主張をしすぎずに、一年間の経験を活かして、演奏をサポートしていきたいです」
叶笑ちゃん「私もとりあえず失敗しないように。ギターは目立つから、失敗したとしても目立たないようにしたいです(笑)」
美桜ちゃん「同じバンドの3年生の先輩と駅前で演奏をするのが最後だから、先輩が悔いの残らないように盛り上げたいです」
 しっかりと自分の言葉で語ってくれた5人。フェス当日の演奏だけでなく、様々なイベントでの白嶺高校軽音楽部の演奏を楽しみにしたいですね。


Information

「糸魚川エキマエロックフェス2018」
年3回(2・4・8月)開催の糸魚川の音楽フェス。今回は「夏場所」です!糸魚川高校、白嶺高校とフリー参加バンドが出演します。
日時:8月5日(日)開演13:00~
場所:ヒスイ王国館(入場無料)
主催:糸魚川軽音楽協会

糸魚川白嶺高校軽音楽部
定期的に校内や校外の施設でライブを開催しています。
興味のある方は、ぜひイベントやライブを見に来てください。
また、各種イベントでの演奏も承ります。
演奏・お手伝いの依頼は、顧問までご連絡ください。
お問合せ:TEL.025-552-0046(糸魚川白嶺高校:中嶋まで)

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