HOPE糸魚川 - 糸魚川市駅北大火復興情報サイト

復興レポート

インタビュー | 特集
地域をつくっていくのに一番大事なのは
『住民の主体性』
2018/01/10

「復興情報の発信基地」「地域住民の集いの場」「被災者の相談所」として、2017年10月から開設している糸魚川復興まちづくり情報センター(大町2)。大火から1年が経った今、地域に寄り添う2人の目から見た“まちづくり”を伺いました。

「もっとウエルカムな雰囲気をつくっていきたい」と笑顔で話す矢島好美さん(左)と野村祐太さん(右)

この場所で働く理由

「子どもの頃のおまんた祭りやけんか祭りの楽しさが忘れられなくて戻ってきました」と話す矢島さんは、高校卒業後東京に出てイベント会社などで働き、1年程前に帰郷。東京で学んだことをお返ししたいと、にぎわいに関われる仕事を求めてこの職場へ。野村さんは、中越地震・中越沖地震での復興の経験を全国に発信する公益社団法人中越防災安全推進機構に所属し、大火の翌日から被災地でボランティア活動を指揮。情報センターを拠点に活動することを機に「通勤では被災地の方に失礼」と、家族で長岡市から転居してきました。「復興に寄り添う立場の人は『よその人間』だと思われたら絶対うまくいかないんですよ。同じ環境の中じゃないと本音の部分って話せないですから」。矢島さんにとっては故郷であり、野村さんにとっては新天地。まったく異なる環境ですが、まちの印象については「人のあたたかさを感じることが多い」と二人は口をそろえます。

まちづくりにおける役割

デスクの壁一面にはスケジュールとアイデアがぎっしり

被災者だけでなく地域住民からもサロン的な場所として気軽に訪れてもらえる、市民と行政の中間的なよりどころを目指す情報センター。大火から立ち上がろうとしている被災者の声を聞き、再建を支援するのはもちろんのこと、“復興”だけに絞ると被災地以外の人にとっては遠い存在になってしまうため、まちづくりも一緒にやっているというPRが不可欠です。被災者に向けた情報と地域住民に向けた情報はしっかりと分け、復興というキーワードを出さずにまちづくりに参加してもらえるよう「いかに人を巻き込んで楽しくさせるか」を一番のテーマに掲げています。また、矢島さんは「観光の面でも、北陸新幹線のかがやきではなく、はくたかに乗ってもらうようにしたい」と、交通結節点として広域的な周遊の拠点となる糸魚川の地域活性のアイデアを膨らませていました。


ノウハウを活かして

にぎわい創出広場の活用方法などを話し合ったミーティングでの意見が展示してあり、いつでも見ることができる

まちづくりというと行政の仕事というイメージがありますが「地域をつくっていくのに一番大事なのは『住民の主体性』なんです」と、野村さんは言います。住みよい街にしていくためには、これからを担う若い人や40~50代の人たちが中心となって、自分たちの将来を考えていく必要があります。「まちづくりという、どうやっていけばいいかわからないことに対して、一緒に学び一致団結してやっていきましょうというスタンスでいきたいです」。矢島さんは自身のUターン経験を振り返って「Uターンしても地元が物足りなくて結局戻ってしまう人もいるんですよね。身に付けた技術を活かせる仕事がないかと相談しても、答えが出てこないから」と、助成金や支援制度だけでなく、働く場という受け皿づくりも重要だと話します。「復興にあたって様々な職種が必要になってくるので、Uターン希望者と新しい職業を結び付ける手助けもできればと思っています」。


Information「復興まちづくり情報センター」

大火で被災された方の各種相談や地域の方の集いの場、復興に関する情報提供の場などを目的に設置しています。Facebookでも情報を発信しています。お気軽にお立ち寄りください。
開設時間 毎日10時~17時
場所 大町2丁目1番17号(いとよ広場西となり)
連絡先 TEL025-555-7244/FAX025-555-7245

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