アンモナイトの一種(カナバリア) |
ヒスイが地表にあがってきた大きな地殻変動が終わり、中生代がやってきました。大陸は暖かで、森林がおおい、恐竜たちはわがもの顔でのし歩いていました。森林に囲まれた湖では石炭ができ、海ではアンモナイトが大繁栄しました。このころ、日本列島はまだなく、アジア大陸にくっついていました。
日本列島各地の中生代ジュラ紀と白亜紀にたまった地層から、恐竜化石が相次いで発見されています。福井県の勝山市では、1989年~1991年まで福井県による発掘調査が行われ、山中の手取層群からは、ドロマエオサウルスの骨、アロサウルスやメガロサウルス、カマラサウルスの歯、その他イグアノドンやティラノサウルスの仲間と思われる足跡などの化石が数多く見つかっています。今まで、日本には、陸上をのし歩く恐竜はいないと考えられてきましたが、この発見で従来の考えはくつがえされ、日本にも たくさんの恐竜がいたことがわかってきました。 |
アンモナイトの一種(アマルチウス) |
新潟・富山・長野の三県にまたがる糸魚川・青海の山には、ジュラ紀前期の内湾~河川にたまった来馬層群とジュラ紀後期~白亜紀前期の河川~湖にたまった手取層群が分布しています。今まで、長野県小谷村の来馬層群からは、海生爬虫類のプレシオサウルスの歯や小型獣脚類(二足歩行の肉食恐竜)と思われる足跡が見つかっています。
「恐竜の化石があるかもしれない」という夢をもって、小滝川や大所川、青海川の流域を調査すれば、糸魚川や青海で、新潟県初の恐竜化石が見つかるかもしれません。世界中の海でアンモナイトが大繁栄しました。アンモナイトは殻を背負ったイカやタコの仲間です。入江や沖合いには、アンモナイトがたくさん泳ぎまわり、海中のプランクトンや海底の小動物を食べていましたが、海に住む爬虫類のイクチオサウルスやプレシオサウルスなどに食べられていたと考えられています。
来馬層群の海にたまった地層からは、アンモナイト化石が産出します。アンモナイトのアマルチウスという仲間は、かつて海だったシベリアを中心に生息していたもので、来馬層群はアマルチウスの生息域の最南端に位置します。一方、太平洋地域を中心に生息ていたカナバリアという仲間も産出することから、北方系と南方系のアンモナイトが共存していたことがわかります。
このことは、暖流と寒流がぶつかりあっていたことを示していると考えられます。
入江や湖がある広大な陸地は暖かで、ソテツ・トクサ・イチョウ・シダなどが生い茂っていました。森林の中の沼のような低湿地帯では、枯れて倒れた木々が積み重なり、泥炭ができあがりました。泥炭は上にたまった地層の重さで、地下深く埋って水分がぬけさり、さらに、温度が上がって石炭に変わりました。 |
シダ植物の一種(トダイテス) |
来馬層群からは、温かい気候に生育するコニオプテリス・イチョウ・ポドザマイテスなどの植物化石に加えて、熱帯~亜熱帯のタイロフィルムなども産出することから、かなり温暖な気候であったことが推定されています。特に、タイロフィルムは熱帯性の乾燥気候を好む植物であることから、当時は北極圏まで温暖な気候だったことが推定されています。 |