「自然環境保全地域」は、貴重な自然環境を適正に保全するため、「新潟県自然環境保全条例」により指定されています。
 高山・亜高山の森林・草原、優れた天然林、特異な地形、貴重な動植物が生息・生育する湖沼・湿原など、県内の23地域、2,008haが指定されています。
 「緑地環境保全地域」は、社寺や城趾と一体となった樹林など、県内の9地域、36haが指定されています。
 自然環境保全地域の特別地区では、開発が制限されるほか、土地の改変、木竹の伐採などの行為を行う場合、県知事の許可が必要です。
新潟県自然(緑地)環境保全地域配置図
【新潟県自然(緑地)環境保全地域配置図】

外部リンク
 新潟県ホームページ「自然公園区域及び規制対象行為について」
 新潟県ホームページ「自然(緑地)環境保全地域(上越地域)」

鉾ヶ岳・権現岳自然環境保全地域

 

 鉾ヶ岳(1,316m)を主峰として、権現岳(1,106m)、大沢岳(1,242m)を連ねるコの字型の急峻な山塊一帯が指定されています。
 標高750m付近から上部はホンシャクナゲの自生北限地となっています。ホンシャクナゲ群生地の上層にはアカミノイヌツゲ、中層にブナ、ミズナラが生育し、大沢岳ではクロベの他にキタゴヨウの分布がみられます。

外部リンク
 新潟県ホームページ「鉾ヶ岳・権現岳自然環境保全地域」
指定面積 598.59ha
所在地 能生地域  島道、柵口、溝尾の各一部
糸魚川地域 大平、土塩の各一部
保全対象 ホンシャクナゲ

ホンシャクナゲ
【ホンシャクナゲ】

マイコミ平自然環境保全地域

 

 黒姫山(1,222m)の南東部、田海川の源流域に位置し、マイコミ平とその入り口にある浄土門を含む区域です。
 カルスト地形を主とする特異な地形が発達し、優れた自然環境が維持されています。地域の大部分は古生代の石灰岩からなり、石灰岩が溶けた場所に、くぼ地(ドリーネ)やそれらがくっついたウバーレ、水の吸い込み口(ポノール)、堅型洞窟等、様々なカルスト地形がみられ、多雪地帯のものとしては国内でもまれで学術上極めて貴重です。
 また、石灰岩地特有の植物が分布するとともに、夏でも残雪の残るドリーネ等の内部には、ムシトリスミレ、カラフトドジョウツナキ等の北方系、亜高山性の植物が生育し、他に類のない植生分布がみられます。
 なお、当該地域への立入は規制されています。
指定面積 86.71ha
所在地 青海地域 田海
保全対象 カルスト地形、天然林
マイコミ平 浄土門
【マイコミ平 浄土門】

外部リンク
 新潟県ホームページ「マイコミ平自然環境保全地域」

 

金山谷自然環境保全地域

 

 橋立の南西部、青海川支流の金山谷に位置します。
 周辺一帯は主として蛇紋岩で構成され、世界で初めて発見された新鉱物の「青海石」「奴奈川石」並びに世界的にまれな「リューコスフィナイト」「ベニト石」等の学術上極めて貴重な鉱物の産地です。
 谷は比較的広く開け、北斜面は約300mにわたる大きな崩壊地となっています。これらの鉱物は、蛇紋岩中の岩塊である「リーベッカイトーアルビタイト」の中に含まれており、いずれも微細な鉱物の結晶です。
指定面積 4.75ha
所在地 青海地域 橋立
保全対象 希産鉱物
金山谷
【金山谷】

外部リンク
 新潟県ホームページ「金山谷自然環境保全地域」

 

不動山緑地環境保全地域

 

 要害地区北部の不動山山頂を中心とする区域が指定されています。
 不動山(445m)は、戦国時代には春日山城の前衛として山城が築かれ、現在、その城跡は、市の史跡文化財に指定されています。この城跡を含む一帯には、コナラ、ミズナラ、ホオノキ、アカシデ、アカメイタヤ等が生育しています。
 特に、南東側斜面には、県内でも希少な自然林に近い状態のアカシデの群生地が見られます。また、50種を超えるチョウ類が確認されるなど、貴重な自然が残されている地域です。
指定面積 6.60ha
所在地 糸魚川地域 越
保全対象 城跡、樹林(アカシデ林)
不動山
【不動山】

外部リンク
 新潟県ホームページ「不動山緑地環境保全地域」

 

秋葉神社緑地環境保全地域

 

 青海川河口左岸の秋葉神社及び金比羅神社の社叢区域が指定されています。
 ここでは、高木層のタブノキを主とする暖温帯常緑広葉樹林が生育し、良好な自然環境が維持されています。林内には、ヤブツバキが多く、シロダモ、ウラジロガシ、チャボガヤ、ヒメアオキ、ジャノヒゲ、キヅタ等の常緑植物が見られます。
 このタブ林は、新潟県における海岸地帯の原植生の一端を示すものとして学術上貴重なものです。
指定面積 0.82ha
所在地 青海地域 青海
保全対象 樹林(タブ林)
秋葉神社
【秋葉神社】

外部リンク
 新潟県ホームページ「秋葉神社緑地環境保全地域」