地震の被害軽減のため、地震による強い揺れがくる前にお知らせする「緊急地震速報」が、平成19年10月1日からスタートしています。

緊急地震速報とは

 緊急地震速報は、地震波のP波とS波の到達時間差を活用した情報です。
震源地に近いところにある地震計でとらえたP波により、3~4秒以内で地震情報を作成し発信します。
 この情報発信からS波が到達するまでの時間が「猶予時間」となりますが、震源地に近い場所ほど短く、震源から離れるほど長くなります。

外部リンク
緊急地震速報について(気象庁ホームページ)

平成19年3月の能登半島地震では

 震度6強を観測した石川県七尾市・輪島市・穴水町では、震源に近かったため、緊急地震速報が主要動到達に間に合いませんでしたが、震度6弱を観測した石川県能登町では主要動が到達するまでに約5秒、震度5強の石川県珠洲市では約7秒、震度5弱の富山市では約12秒の猶予時間がありました。
 このように到達時間には、場所によって長短がありますが、わずか数秒であっても、その時に机の下に隠れたり、落下物やガラスなど、危険な場所から離れたりするなど、ちょっとした適切な行動がとることで、生命の危険度は大きく左右されます。

緊急地震速報の伝達イメージ

 緊急地震速報はいかに早く伝えるかが鍵になります。今のところ、最も効果的な伝達方法はテレビ・ラジオからの放送です。
 また、消防庁から衛星を通じて自治体の防災行政無線等を自動的に起動させ一斉放送を流す仕組み《J-ALART (ジェイ・アラート)》も稼働しています。
緊急地震速報の伝達イメージ

■P波とS波
 地震波は、縦波(P波)と、横波(S波)に大別され、縦波のほうが横波よりも速く伝わります。
 P波は秒速約7kmで伝わり、初期微動と呼ばれ、S波は秒速約4kmで伝わり、主要動と呼ばれます。私たちが強い揺れを感じ被害を受けるのは、主に「主要動」です。

■誤差が生じる場合
 緊急地震速報は、あくまでP波とS波の到達時間の差を活用した「推定」であるため、技術的な限界もありますが、これらを理解のうえ、被害の防止・軽減のために活用する必要があります。 

ダウンロード
気象庁リーフレット(PDF:273KB)