名称 |
焼山火山
やけやまかざん |
白馬大池火山
しろうまおおいけかざん |
標高 |
2,400m |
2,473m |
位置 |
新潟県糸魚川市と妙高市との境にあります。
妙高山と火打山と焼山の三山を合わせて頸城(くびき)三山と呼ばれています。 |
新潟県糸魚川市と長野県白馬村の境にあります。最高峰は白馬乗鞍岳です。
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最近の噴火 |
1974年(昭和49年)7月28日に水蒸気爆発を起こしました。噴火にともなって飛んできた噴石で植物調査中だった千葉大学の学生3人が犠牲になりました。 |
記録なし
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歴史 |
噴火の活動を始めたのは約3000年前で、非常に新しい火山です。標高は2400mもありますが、火山そのものの高さは約400mしかありません。
今から3000年前ごろに第1期の活動が始まり、その後約1000年前に第2期の活動、約650年前に第3期の活動、1773年に第4期の活動が始まった。
第1期の活動では、火山灰の放出と火砕流、溶岩流の流出が起こった。
第2期の活動は新潟焼山における最大規模の活動で、日本海にまで達する火砕流と長さ6.5kmの溶岩が流出した。
第3期の活動でも火山灰の放出と火砕流の流出が起こり、このときの火砕流も海まで1.5kmの地点にまで達した。この活動の最後に、現在の山頂である溶岩ドームが形成された。
第4期の活動のうち、1773年の活動は爆発的な噴火で始まり、その後に火砕流も流出したが、先の2つの時期に流出した火砕流よりは小規模であった。この噴火以降にはマグマ噴火は起こっていないが、19世紀の中頃には大量の硫黄が噴出、その後20世紀に入っても小規模な水蒸気爆発が発生している。
2016年(平成28年)5月6日午後に気象庁が上空から調査したところ、東西およそ200m、南北およそ400mの範囲で火山灰が積もっていたことが確認され、「新潟焼山でごく小規模な噴火が発生したもようだ」と発表した。噴火の時期については不明となっている。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
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約1000年前、約640年前、約230年前に火砕流を噴出しています。
新生代第四紀更新世中期に活動しました。 |
噴火の形式 |
火砕流、溶岩流、噴石、火山灰、火山泥流 |
溶岩流、火砕流? |
研究者 |
早津賢二先生(妙高市在住)によって詳細な火山地質の研究がなされました。 |
東京大学の柵山雅則先生(故人)によって岩石学的研究がなされ、マグマ混合説の普及のきっかけとなりました。 |
岩石 |
普通角閃石デイサイト |
普通角閃石安山岩 |
基盤岩
(火山の土台) |
フォッサマグナの海の底に堆積した新生代新第三紀中新世の泥岩や砂岩です。 |
飛騨外縁帯(蓮華帯)の蛇紋岩や中生代ジュラ紀の浅い海や湖に堆積した来馬層群の泥岩・砂岩・礫岩です。 |
登山 |
活動がやや活発になっており、山頂までの登山ができません。
(山頂から半径1kmは想定火口となっており、立ち入り禁止です。)
以下は立ち入り禁止になる前のものです。
<コース>
林道焼山線第1ゲート-(約2km)-第2ゲート-(約4km)-登山口(カラサワシェルター、ヘルメット10個あり)ー(約3時間)-泊岩-(約1時間)-山頂
<林道の一般開放>
林道焼山線(第1ゲートから第2ゲートまで)が下記のように一般開放されます。
土曜日・日曜日・祝祭日
連続する日の初日の午前6時に開放、連続する日の最終日の午後5時に閉鎖。
<登山届>
登山に際して必ず登山届を提出してください。提出先は以下をご参照ください。
http://www.itoigawa-kanko.net/wp-content/uploads/2015/05/yakeyama_gimu.pdf
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栂池からのコースと蓮華温泉からのコースがあります。 |
備考 |
秋田県にも焼山という第四紀火山があり、混同を避けるために火山学者たちは秋田焼山火山、新潟焼山火山と呼んでいます。 地元では単に焼山火山と呼んでいますし、正式な名称も単なる焼山です。 |
白馬大池は噴火口に水がたまってできた火口湖ではなく、白馬大池火山から流下した溶岩と基盤との間にできた凹地に水がたまったものです。 |
小野健先生による焼山山頂での講義
山頂の噴火口の縁を歩く
山頂のアグルチネート
山頂にて(左側が噴火口)
溶岩ドームを直登する
噴火口の一つ
鎖場のある頂上直下の岩場
山頂直下の岩場
溶岩ドームを直登する(落石注意)
焼山から見た雨飾山
浅い沢はロープで昇降する。斜面は火砕流堆積物からなる。
この時はまだ余裕があった…
雪渓をトラバース
奥に見えるのが焼山 往復10時間